平成28年度 北秋田市民病院 病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞のICD10別患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 111 37 31 63 61 158 342 561 864 255
【定義】
平成28年4月1日から平成29年3月31日までに当院の一般病棟を退院した患者様について10歳刻みで集計しました。
♢年齢は入院日時点のものを基準としています。
♢90歳以上の患者さんは1つの階級として設定しております。

【解説】
当院に入院される患者様の年齢層としては、60歳~80歳代の方が多く、とりわけ80歳代の患者数が突出しているという結果から、北秋田二次医療圏の高齢化が進んでいることを示しています。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040081xx99x00x 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 72 35.25 21.25 2.78 84.35
110310xx99xx0x 腎臓または尿路の感染症 手術なし 副傷病なし 44 15.77 12.43 0 83.61
0400801499x002 肺炎等(市中肺炎かつ75歳以上) 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なしA-DROP スコア2 40 21.75 15.29 0 84.28
0400801499x003 肺炎等(市中肺炎かつ75歳以上) 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なしA-DROP スコア3 35 26.23 17.43 0 87.69
050130xx99000x 心不全 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 29 27.21 17.95 0 83.34
【定義 *内科以降他科についても同様】
平成28年4月1日から平成29年3月31日までの退院患者のうち、診療科別にDPC14桁分類(診断群分類)における患者数上位5位までについて、DPCコード、名称、患者数、自院の平均在院日数、全国の平均在院日数、転院率、平均年齢を集計しました。
♢「DPC」とはDiagnosis(診断)、Procedure(手術・処置等の医療行為)、Combination(組合せ)の略で、疾患と施行した医療行為の組合せ毎に分類した14桁のコードからなる診断群分類のことをいいます。
♢集計結果が10件未満の場合は患者さんが特定される恐れがあるため「-」表示としています。また、それに併せて上位3位までに10件未満の疾患がある場合は、以降の4位~5位の公開は控えさせていただき、上位3位まで全て10件未満となる診療科については公開を全て控えさせていただきます。
♢転科された患者さんについては医療資源を最も投入した傷病の診療科で集計しております。
♢転院率は[各傷病ごとの他の病院・診療所へ転院した患者/各傷病ごとの退院患者]で表しています。

【当科の解説】
当科の最も件数の多い診断群分類は、手術等の処置を伴わない誤嚥性肺炎となっております。
また、3位~4位は誤嚥を原因としない肺炎の診断群分類となっており、手術等の処置のほかに病院内外での発症、年齢、A-DROPスコア(0~5で評価する肺炎重症度。5が超重症)によって分類が細分化されます。その細分化される点を除いて主要疾患毎として見た場合、当院における疾患の構成割合の中で肺炎(DPCコード:040080~)が最も多いという特徴があります。
小児科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
0400801199x00x 肺炎等(1歳以上15歳未満) 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 19 4.37 5.79 0 4.89
040070xxxxx0xx インフルエンザ、ウイルス性肺炎 手術・処置等2なし 13 4.62 6.09 7.69 2.38
040090xxxxxx0x 急性気管支炎、急性細気管支炎、下気道感染症(その他) 副傷病なし 11 4.36 6.02 0 3.64
030270xxxxxxxx 上気道炎 10 4.00 4.83 0 3.20
030240xx99xxxx 扁桃周囲膿瘍、急性扁桃炎、急性咽頭喉頭炎 手術なし - - 5.5 - -
【当科の解説】
当科の最も件数の多い診断群分類は、手術等の処置を伴わない肺炎となっております。
乳幼児の風邪が悪化し、急性気管支炎や肺炎になったり、RSウイルス等のウイルス感染やインフルエンザ等の細菌感染によって入院となるケースがほとんどとなっております。
外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060035xx99x60x 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等26あり 副傷病なし 20 3.00 4.48 0 84.35
060335xx02000x 胆嚢水腫、胆嚢炎等 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 17 9.59 7.61 0 64.82
060150xx03xxxx 虫垂炎 虫垂切除術 虫垂周囲膿瘍を伴わないもの等 14 8.50 5.6 0 38.36
060020xx99x30x 胃の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等23あり 副傷病なし 12 3.83 6.88 0 67.67
060020xx02x0xx 胃の悪性腫瘍 胃切除術 悪性腫瘍手術等 手術・処置等2なし 11 27.91 17.65 0 74.36
【当科の解説】
当科の最も件数の多い診断群分類は、結腸がんに対し抗がん剤を投与する化学療法目的の入院となっております。
次いで、胆のう炎に対し腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行するもの、虫垂炎に対し虫垂切除術(腹腔鏡下手術含む)を施行するもの、胃がんに対し抗がん剤を投与する化学療法目的の入院、胃がんに対し切除術(腹腔鏡下手術含む)を施行するもの、となっております。
尚、鼡径ヘルニア手術症例はDPCではなく短期滞在手術基本料で算定するため、本集計からは除外されております。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160800xx01xxxx 股関節大腿近位骨折 人工骨頭挿入術 肩、股等 43 43.00 27.63 0 80.37
160690xx99xx0x 胸椎、腰椎以下骨折損傷(胸・腰髄損傷を含む。) 手術なし 副傷病なし 31 26.74 20.57 0 82.19
070230xx01xxxx 膝関節症(変形性を含む。) 人工関節再置換術等 22 37.73 26.26 0 77.45
160760xx97xx0x 前腕の骨折 手術あり 副傷病なし 18 8.61 5.49 0 66.17
160820xx01xxxx 膝関節周辺骨折・脱臼 骨折観血的手術等 11 46.64 28.19 0 75.64
【当科の解説】
当科の最も件数の多い診断群分類は、股関節大腿近位骨折に対し人工骨頭挿入術や骨接合術を施行する入院となっております。
次いで、胸腰椎の骨折に対し手術をせず保存的に加療するもの、変形性膝関節症に対し人工関節置換術を施行するもの、前腕(手首)の骨折に対し骨接合術を施行するもの、膝関節周辺の骨折に対し骨接合術を施行するもの、となっております。
平均年齢を見ると全体的に80歳前後の高齢者の入院が多く見られます。高齢者の骨折の原因には、骨量の低下(骨粗鬆症)および、筋力・バランス機能の低下等により転倒しやすくなっていることが挙げられます。また高齢者で骨折しやすい部位としては股関節・手首・肩関節・脊椎が挙げられ、当院ではその中でも股関節の骨折が多いという結果になっています。
心臓血管外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050210xx97000x 徐脈性不整脈 手術あり 手術・処置等1なし、1,3あり 手術・処置等2なし 副傷病なし 26 11.15 11.38 0 81.19
050080xx9900xx 弁膜症(連合弁膜症を含む。) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 18 23.33 13.52 5.56 83.50
050070xx99000x 頻脈性不整脈 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 15 21.87 7.82 6.67 81.53
050210xx99000x 徐脈性不整脈 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 10 12.00 8.35 10.00 82.70
050030xx99000x 急性心筋梗塞(続発性合併症を含む。)、再発性心筋梗塞 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 副傷病なし - - 10.22 - -
【当科の解説】
当科の最も件数の多い診断群分類は、徐脈性不整脈に対しペースメーカ植込み手術及び交換手術を施行する入院となっております。
2位~4位は手術等処置を伴わない弁膜症、不整脈を原因とする心不全、5位は手術等処置を伴わない急性心筋梗塞となっております。
心臓手術、心臓カテーテル治療等専門的な治療を要する場合は、県内の高次医療機関へ紹介、転院して治療することになります。
泌尿器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110200xx04xxxx 前立腺肥大症等 経尿道的レーザー前立腺切除術 10 13.60 7.78 0 76.40
110070xx0200xx 膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし - - 7.44 - -
110200xx02xxxx 前立腺肥大症等 経尿道的前立腺手術 - - 9.98 - -
- - - - - - -
- - - - - - -
【当科の解説】
当科で件数の多い診断群分類として、前立腺肥大症に対し手術を施行する入院が1位と3位、膀胱がんに対し手術を施行する入院が2位となっております。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 23 22 19 13 - - 1 7
大腸癌 - 12 14 14 39 - 1 7
乳癌 - - - - - - 1 7
肺癌 - - - - - - 1 7
肝癌 - - - - - - 1 7
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
【定義】
5大癌について初発患者は病期分類ごとにより患者数を、再発患者は期間内に再発した患者数を集計しました。
♢5大癌とは日本人が罹患しやすいと言われている胃癌、大腸癌、乳癌、肺癌、肝癌のことです。
♢UICCとはラテン語で「Unio internationalis Contra Cancrum」の略であり、国際対がん連合のことを表します。
♢TNMとは癌の病期の評価、分類のことです。
  T:原発巣の大きさと浸潤を評価 N:所属リンパ節への転移状況を評価 M:遠隔転移の有無を評価
  これらを総合的に組み合わせて病期stage0~stageⅣが決まり、stageⅣが最も進行していることになります。
♢癌取扱い規約とは日本で編集されている規約のことで臓器別に国内の学会や研修会によって作成されているものです。
♢版数とは改定回数のことで各臓器別によって異なります。
♢集計結果が10件未満の場合は患者さんが特定される恐れがあるため「-」表示としています。

【解説】
当院では胃癌、大腸癌の患者様が多い傾向にあります。病期Stage(進行度)によって手術・治療方針が変わってきますが、内視鏡手術や腹腔鏡手術等患者さんの身体への負担が少ない低侵襲手術を積極的に行っております。
また、当院では5大癌のうちの乳癌・肺癌・肝癌、5大癌以外の食道癌や甲状腺癌等についても幅広くカバーし、緊密に連携している他医療機関の専門医師の来院・指導を仰ぎ、患者さんに負担をかけることなくなるべく北秋田で治療を完結できるよう努めております。
手術だけでなく、抗がん剤を投与する化学療法や患者さんの苦痛を和らげる緩和ケアも行っております。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 25 15.44 57.32
中等症 121 22.73 78.74
重症 53 27.66 85.85
超重症 20 46.95 87.05
不明 - - -
【定義】
入院契機病名および最も医療資源を投入した傷病名が肺炎、急性気管支炎、急性細気管支炎であるもののうち、ICD-10コードがJ13~J18で始まるものに限定し、20歳以上の市中肺炎の患者さんが対象となります。
♢ICD-10とは「疾病及び関連保健問題の国際統計分類:International Statistical Classification of Diseases and Related Health Problems」の略であり、異なる国や地域の死亡や疾病のデータの記録・分析・比較等を行うため、世界保健機関(WHO)が作成している分類のことです。 「10」は改定の回数を表しています。
♢市中肺炎とは通常の社会生活を送っているなかで発症した肺炎です。通常はインフルエンザ等のウイルスによるものも含みますが、本指標では除外しております。また、誤嚥性肺炎についても本指標の対象外となっています。
♢肺炎の重症度については日本呼吸器学会による市中肺炎診療ガイドラインで採用されている「A-DROPスコア」という重症度分類により評価します。
A(Age=年齢):男性70歳以上・女性75歳以上
D(Dehydration=脱水):BUN 21mg/dL以上または脱水あり
R(Respiration=呼吸):SpO2 90%以下またはPaO2 60Torr以下
O(Orientation=見当識):意識障害あり
P(Pressure=血圧):収縮期血圧 90mmHg以下
上記の5項目のうち1項目に該当すれば1点、2項目に該当すれば2点というように計算し、5点で満点となります。
スコア0は軽症であり、外来治療となります。
スコア1~2は中等症であり、外来治療か入院治療のどちらかになります。
スコア3は重症、スコア4~5は超重症であり、入院治療を要します。
ただし、スコアによらずその他合併症があったり患者さんの状態に応じて入院が必要な場合もあります。
また、ショックがある場合、すなわち収縮期血圧 90mmHg以下でPの項目に当てはまる場合、1項目のみの該当でも超重症(スコア4~5)に分類するというルールがありますが、DPCにおいてはこのルールは適用されません。

【解説】
当院は中等症(A-DROP1点~2点)の患者さんが一番多く、全体の55%を占めています。A-DROPスコアによる評価方法では、年齢が男性70歳以上・女性75歳以上の高齢者であるということだけでも1点、中等症となります。当院での中等症の平均年齢は78歳で後期高齢者にあたり、高齢であればあるほど1つ以上の基礎疾患を有していることが多く、特に心臓や呼吸器に慢性疾患のある方、腎不全、肝機能障害、糖尿病のある方などでは、肺炎などの感染症にかかりやすく、病状も重くなる傾向があります。中等症では外来治療か入院治療のどちらかになりますが、重症化のリスクが高い方やその他急性発症した合併症がある場合は入院治療を選択します。
脳梗塞のICD10別患者数等ファイルをダウンロード
ICD10 傷病名 発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
G45$ 一過性脳虚血発作及び関連症候群 - - - - -
G46$ 脳血管疾患における脳の血管(性)症候群 - - - - -
I63$ 脳梗塞 3日以内 99 42.40 81.78 4.59
その他 10 25.60 78.50 0.92
I65$ 脳実質外動脈の閉塞及び狭窄,脳梗塞に至らなかったもの - - - - -
I66$ 脳動脈の閉塞及び狭窄,脳梗塞に至らなかったもの - - - - -
I675 もやもや病<ウイリス動脈輪閉塞症> - - - - -
I679 脳血管疾患,詳細不明 - - - - -
【定義】
医療資源を最も投入した傷病名が脳の虚血性疾患である患者さんを対象として、発症から入院までの日数別に患者数、平均在院日数、平均年齢、転院率を示しております。
♢「発症日から」の項目は、患者様が発症後何日以内に来院したかを示す項目です。具体的には、患者数を「3日以内(脳卒中の発症から3日以内に来院)」、「その他(発症日4日目以降に来院、もしくは無症候性)」に分けて集計することを想定しています。
♢ICD-10とは「疾病及び関連保健問題の国際統計分類:International Statistical Classification of Diseases and Related Health Problems」の略であり、異なる国や地域の死亡や疾病のデータの記録・分析・比較等を行うため、世界保健機関(WHO)が作成している分類のことです。「10」は改定の回数を表しています。
♢集計結果が0件未満の場合は患者さんが特定される恐れがあるため「-」表示としています。
♢転院率は[各傷病ごとの他の病院・診療所へ転院した患者/各傷病ごとの退院患者]で表しています。

【解説】
当院ではI63$の脳梗塞の患者さんがほとんどであり、その内発症から3日以内での入院が全体の9割を占めています。平均年齢は80歳前後となっており、後期高齢者の脳梗塞患者が多いことがわかります。
また、I63$の脳梗塞のICD10コード内訳を割合として示した場合、
・I633 アテローム血栓性脳梗塞(動脈硬化を発症・進展させる高血圧、高脂血症、糖尿病など生活習慣病が原因):50%
・I634 心原性脳塞栓症(不整脈の1つである心房細動等の心疾患が原因):32%
・I638 ラクナ梗塞(主に高血圧症が原因):17%
・上記以外の種類の脳梗塞:1%
となっており、脳梗塞の種類で見ると、当院はアテローム血栓性脳梗塞の患者さんが多い傾向にあります。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K664 胃瘻造設術(経皮的内視鏡下胃瘻造設術、腹腔鏡下胃瘻造設術を含む) 28 23.89 39.96 7.14 81.14
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) 25 3.68 4.24 4.00 73.72
K654 内視鏡的消化管止血術 14 0.93 26.36 0 72.93
K6871 内視鏡的乳頭切開術(乳頭括約筋切開のみのもの) 14 7.86 12.71 0 73.86
K6531 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術(早期悪性腫瘍粘膜) 10 3.10 7.30 0 77.50
【定義 *内科以降他科についても同様】
平成28年4月1日から平成29年3月31日までの退院患者のうち、診療科別に手術件数の多い上位5位までについて患者数、平均術前日数、平均術後日数、転院率、平均年齢を集計しました。
♢集計結果が10件未満の場合は患者さんが特定される恐れがあるため「-」表示としています。また、それに併せて上位3位までに10件未満の手術がある場合は、以降の4位~5位の公開は控えさせていただき、上位3位まで全て10件未満となる診療科については公開を全て控えさせていただきます。
♢手術術式の点数コード(Kコード)による集計ですが、輸血関連(K920$)は除外しております。また、軽微な手術(創傷処理、皮膚切開術、非観血的征服術など)も除外しております。
♢平均術前日数は入院日から手術日まで(手術日当日は含まない)の日数、平均術後日数は手術日から(手術日当日は含まない)退院日までとしています。
♢複数の手術を行っている場合、主たる手術のみの集計としております。
♢複数の診療科で治療を行っている場合、主たる診療科での集計としております。
♢転院率は[各手術ごとの他の病院・診療所へ転院した患者/各手術ごとの退院患者]で表しています。

【当科の解説】
当科の最も件数の多い手術は、胃瘻造設術となっております。
高齢で寝たきりとなっている患者様において、脳血管障害、認知症などによる嚥下機能の低下で、十分な食事を口から摂ることが困難な場合、又は誤嚥して肺炎を繰り返したり、低栄養で入退院を繰り返す場合は、必要な栄養を獲保する手段を考慮する必要があり、患者様及びご家族と相談の上、胃瘻造設が行われます。
あらかじめ胃瘻造設目的で予定入院し造設する場合もありますが、急性発症した誤嚥性肺炎等で緊急入院後、症状が落ち着いてから相談の上胃瘻造設を選択するという場合が多く、入院から手術を行うまでの平均術前日数は長めの日数となっております。
胃瘻は嚥下障害に対する最終的な処置ではなく、患者さんが再び口から食事が摂れるようになることを目指して、胃瘻により栄養状態を改善しながら、積極的に嚥下訓練を行っております。
4位の内視鏡的乳頭切開術(乳頭括約筋切開のみのもの)という手技はESTと呼ばれています。内視鏡を十二指腸まで挿入し、胆管・膵管の出口にあたる乳頭部にEST用ナイフを挿入し、高周波(電気メス)を用いて切開します。結石を除去し、胆道が閉塞して起こる黄疸を軽減させるために行います。
5位の内視鏡的胃ポリープ・粘膜切除術(早期悪性腫瘍粘膜下層)というのは、早期の胃癌に対して、内科で内視鏡的な切除術を行ったものが集計されております。
外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 40 7.65 11.50 0 71.58
K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) 13 2.54 4.38 0 75.77
K6552 胃切除術(悪性腫瘍手術) 13 8.46 22.15 0 76.23
K718-21 腹腔鏡下虫垂切除術(虫垂周囲膿瘍を伴わないもの) 11 1.00 7.00 0 45.45
K719-3 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 11 9.73 22.36 0 80.00
【当科の解説】
当科の最も件数の多い手術は、腹腔鏡下胆嚢摘出術となっております。北秋田市で唯一、外科手術を担っている施設として、全身麻酔が必要な手術から、外来での小手術まで、幅広く対応しています。
また、3位の胃切除術(悪性腫瘍手術)、5位の腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術を始めとした癌に対する手術も当院は幅広く行っており、平成28年度は甲状腺悪性腫瘍手術、乳腺悪性腫瘍手術、胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術、食道悪性腫瘍手術、腹腔鏡下胃切除術、肝切除術、小腸悪性腫瘍手術、腹腔鏡下直腸切除・切断術等も行っております。
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0461 骨折観血的手術(肩甲骨,上腕,大腿) 44 2.27 40.64 2.27 78.18
K0462 骨折観血的手術(前腕,下腿,手舟状骨) 31 2.32 15.39 0 67.84
K0821 人工関節置換術(肩,股,膝) 26 1.92 34.35 0 76.54
K0483 骨内異物(挿入物を含む)除去術(前腕,下腿) 14 0.79 4.50 0 59.93
K0463 骨折観血的手術(鎖骨,膝蓋骨,手(舟状骨を除く),足,指(手,足)その他) 12 1.67 23.58 0 61.25
【当科の解説】
当科の最も件数の多い手術は、骨折観血的手術(肩甲骨,上腕,大腿)となっております。この内9割が大腿骨骨折に対する骨接合術でした。
2位の骨折観血的手術(前腕,下腿,手舟状骨)については、7割が前腕、3割が下腿に対して行われました。
3位の人工関節置換術(肩,股,膝)については、9割が膝に対して行われました。
また、4位の骨内異物(挿入物を含む)除去術という手技は、骨折手術後、体内に残っている骨折部を固定したインプラント(プレート、ボルト等)を骨癒合を認めたタイミングで抜去する手術のことです。
術後は安全に日常生活が送れるようにリハビリテーションを行いますので、その分平均術後日数が他科と見比べると少し長めとなっております。
心臓血管外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5972 ペースメーカー移植術(経静脈電極) 16 5.38 13.68 0 80.06
K597-2 ペースメーカー交換術 12 1.00 1.83 0 83.50
K617-2 大伏在静脈抜去術 - - - - -
- - - - - - -
- - - - - - -
【当科の解説】
当科で主に施行している手術はペースメーカー移植術(経静脈電極)、ペースメーカー交換術となっています。
眼科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K2821ロ 水晶体再建術(眼内レンズを挿入する場合)(その他のもの) 80 4.85 6.99 0 77.19
- - - - - - -
- - - - - - -
- - - - - - -
- - - - - - -
【当科の解説】
当科で主に施行している手術は白内障に対する水晶体再建術となっております。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 - -
異なる - -
180010 敗血症 同一 19 0.77
異なる - -
180035 その他の真菌感染症 同一 - -
異なる - -
180040 手術・処置等の合併症 同一 - -
異なる - -
【定義】
医療の質の改善に資するため、臨床上ゼロにはなりえないものの少しでも改善すべき4症例について入院契機病名の同一性の有無を区別して患者数と発生率を示しています。
♢入院契機とは、DPCコードで分類されたDPC病名とは別につけられている、入院のきっかけとなった傷病名のことです。DPC病名と入院契機病名が「同一」の場合は、入院のきっかけとなった傷病名の診療を中心に行ったということを表します。「異なる」場合は、入院のきっかけとなった傷病名の診療目的で入院していますが、入院経過中に入院契機病名とは別に、その患者様がもともと持ち合わせていた疾患や入院中に発症した疾患に対する診療を中心に行ったということを表します。
♢集計結果が10件未満の場合は患者さんが特定される恐れがあるため、「-」表示としています。
♢発生率は[疾患ごとの患者数/当院の全退院患者数]で表しています。
♢手術・処置などの合併症は、診療上で手術や処置などを施行するのに伴い一定の割合で発生してしまう病態です。主なものとして手術後の出血や創部の感染症などが挙げられます。手術・処置に伴う合併症は必ず発生するわけではありませんが、どんな手術・処置でも起こる可能性があるもので医療ミスとは異なります。手術・処置等の合併症は他院で手術した後に発症したものも含まれております。また、自院で発症したものについては手術後長期間空いてからの症例も含みます。

【解説】
当院では、入院契機病名が敗血症で、そのまま敗血症の治療を中心に行った症例が多く集計されました。
敗血症とは、尿路感染症、肺炎、胆嚢炎・胆管炎など生体のある部分で感染症を起こしている場所から血液中に病原体が入り込み、重篤な全身症状を引き起こす症候群です。免疫力が低下している人は敗血症のリスクが高くなります。例えば、新生児や妊婦、高齢者、ステロイドなど免疫系を抑制する薬を服用している方、がんやエイズなどの免疫系の病気を治療中の方、糖尿病や肝硬変などの特定の慢性疾患をもつ方がそれにあたります。
当院の患者構成の特徴として、年齢階級別退院患者数では80歳代の入院患者が多いことや、診断群分類別患者数等においても敗血症の原因疾患となりうる肺炎や尿路感染症の内科患者が多いことから、北秋田二次医療圏は敗血症のリスクが高い人が多い医療圏であるといえます。
更新履歴
2017/09/27
「平成28年度 病院情報の公表」更新